

MCTオイルとは?
MCTはMedium Chain Triglycerideの略で、MCTオイルとは中鎖脂肪酸油のことを言います。MCTオイルは一般的な食用油と比べて消化・吸収が早く、エネルギーになりやすいという特長があり、医療現場やスポーツ分野での栄養補給などで利用されています。
油脂は、炭素が鎖状に連なった“脂肪酸”と“グリセリン”からできています。この炭素の数が5~12個の物を“中鎖脂肪酸”と呼び、それ以上のものを“長鎖脂肪酸”と呼びます。菜種油やオリーブオイル等、一般的な油に含まれる脂肪酸は長鎖脂肪酸です。
ココナッツオイルがダイエットに効果的とされ有名です。ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸(MCT)は約60%ですが、中鎖脂肪酸100%のものが「MCTオイル」です。そのまま上位版です。
中鎖脂肪酸の性質
ココナッツやパームフルーツには中鎖脂肪酸 という天然成分が含まれています。中鎖脂肪酸は他の脂肪酸よりも構造的に短いため、消化・吸収までの時間が短く、素早くエネルギーに変換されます。
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中鎖→構造が短い
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長鎖→構造が長い
代謝までの経路が異なる(直で肝臓に行く)ので、エネルギーになるまでの時間は、一般的な油の4〜5倍と圧倒的に早いです。この中鎖脂肪酸のことをMTC(Medium Chain Triglyceride) と言います。これがダイエットに効果ありとされている成分ですね。
つまり、「ココナッツオイルをとると痩せる」ではなく「MCTをとると痩せる」という意味です。
MCTオイルで痩せると言われる理由
1つは、吸収・分解が早いため、脂肪として蓄積されづらいという性質が「太りにくい」 理由です。摂取したら速攻で分解されてしまいますので、他の油に比べたら脂肪として蓄積されづらいです。

MCTオイル(中鎖脂肪酸)の特徴
中鎖脂肪酸は栄養の吸収を高めつつ代謝を促し、身体に蓄積された脂肪を分解して排出する働きがあります。そのため身体が余分な脂肪や糖を吸収しなくなり、エネルギーを消費しやすくなるため、ダイエット効果を期待できます。
中鎖脂肪酸100%、天然の成分でできたMCTオイルは長鎖脂肪酸の植物油に比べて水になじみやすく、消化吸収がよいことが特徴です。
代謝(栄養を必要な場所で利用する働き)の経路として、長鎖脂肪酸は静脈やリンパ管を通って脂肪や筋肉、肝臓に運ばれて一度分解や貯蓄が行われます。
肝臓に貯蓄してあるグリコーゲン(緊急時の栄養のようなもの)がなくなってきたら、そこでようやく脂肪が分解されてゆっくりエネルギーとして消費されます。つまり必要に応じて利用されるため、身体に脂肪として蓄積されやすくなっています。
一方、中鎖脂肪酸は直接、肝臓へ運ばれるため、効率よくすぐに代謝ができるという違いがあります。つまり、摂取後に早く分解されてエネルギーとして素早く使うことができるので、他の脂肪酸に比べ脂肪になりにくいという点も中鎖脂肪酸の特徴の一つです。
運動系のダイエットにも効果
MCTオイルを摂取すると、ケトン体をエネルギー源にできるのでブドウ糖を温存できることが利点です。
ブドウ糖の温存によって血糖値が維持されるため、お腹が空きにくく疲れにくくなるため、持久力の必要な運動も長く続けられるといった効果が期待できます。
ダイエットに運動をとり入れる場合、持久力がアップするというMCTオイルの効果は見逃せない魅力でしょう。
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体内を脂肪燃焼しやすい環境に整える
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ケトン体の大量生成を促進し、糖質制限の効率を上げる
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空腹感を減少させ、長時間の運動がしやすくなる
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食事制限による筋肉減少を予防し、理想のスタイルを維持する
参考URL
ヘルスケア大学 中鎖脂肪酸100%のMCTオイルでダイエット
MCTオイルで注意すること
溶けない・油が浮いている
油ですので、飲み物になかなか溶けてくれません。油が浮いている感が苦手な人はブレンダーを使うといい感じになります。
炒め物・揚げ物用の油としては使えない
MCTオイルは、炒め油・揚げ物油には使用できません。一般的な油と比べて、低音で煙が発生する性質のようです。料理に使うとしたら、仕上げにかけたり、あえものへの使い方となります。
使用上の注意点
オイルの種類によっては、季節によって常温で溶けたり、固まったりなど特徴があります。使用の際は表示を確認するようにしましょう。
たとえばココナッツオイルはすべての脂肪の中でもっとも安定し、酸化に対してももっとも抵抗性のあるオイルとされています。
ほかのオイルが高温では成分が壊れて劣化してしまうのに対し、ココナッツオイルは180度までの高温に耐えられるという特性を持っています。
いずれのオイルも、空気と触れ合うことで酸化しますので、使用期限を守り、身体により新鮮なものをとり入れるよう心がけることが大切です。
健康上の注意点
MCTオイルはダイエットに効果がありますが、一度に多く摂取すると下痢や腹痛などの症状が現れることがあります。また、揚げ物や炒め物に使うと一般的な油より低い温度で煙が出てしまうため、仕上げにかける、あるいは和えるなどの使い方がおすすめです。
市販のものを利用するときは、一日に大さじ1~2杯などそれぞれの商品の使用方法に沿って適切な量を使ってください。
特に、1型糖尿病の人や血糖値がかなり高い人の場合は、血中のケトン体が急に上昇するとケトアシドーシスという状態となり、嘔吐、腹痛、脱水症状などを引き起こし、進行すると意識障害や昏睡を起こして死にいたる可能性もあるので注意が必要です。
MCTオイルを利用する場合にはドクターや栄養士に相談し、指示通りの量を守って使いましょう。
参考URL
ヘルスケア大学 中鎖脂肪酸100%のMCTオイルでダイエット
http://www.skincare-univ.com/article/016718/